パピヨン
パピヨンの簡単なあらすじ
この映画では金庫破りである男が捕まって物語が始まります。その男は刺青でパピヨンと呼ばれていました。パピヨンは仲間の裏切りで南米ギアナへと強制労働に行きます。パピヨンはそこで脱獄するためにドガという男と親しくなりました。このドガと協力してパピヨンは遠い場所へと逃れようとします。そしてそれにはドガの偽札技術と膨大な資金が必要でした。
パピヨンをおすすめする理由
私が好きな映画のシーンはパピヨンが森の中を逃げ回るところです。彼は敵に追われているので必死になって逃げるところが凄かったです。またその逃げるシーンではスローモーションが活用されていて衝撃的でした。これにはニューシネマ・ムーブメントの影響もあって美しいスローモーションの使い方だと思います。そういうシーンが印象的でこの映画を名作にしています。
好きな登場人物たちはパピヨンとドガです。特にドガは名優ダスティン・ホフマンなのでインパクトがありました。私はドガが最初の強制労働の中で具合が悪くなるシーンを覚えています。本当に辛そうでダスティン・ホフマンの演技がリアルだと思いました。私はドガがお気に入りで肉体派ではないところが良いです。またそれを活かして偽札を作るので面白いと感じました。こういう頭脳派が強制労働に来ているという部分も斬新でした。
アメリカン・スナイパー
アメリカン・スナイパーの簡単なあらすじ
テキサス州生まれのクリス・カイルはアルカイーダのテロを機にネイビーシールズに志願します。厳しい入隊訓練を乗り越えカイルはネイビーシルズへ入隊。そしてタヤと出会い、恋をして幸せな時間を過ごしていきます。しかし結婚式の日、アメリカ同時多発テロを発端に始まったイラク戦争への派遣される命令が下ります。
訓練時代から狙撃手としての才能を見出されていたカイルは戦場で狙撃手として配置されるのですが、そこで記録的な戦績を挙げていくことになるのです。いつしか周りの仲間から「レジェンド」と呼ばれるようになり、戦場に必要とされていきます。カイル自身も戦場に自分が必要だとのめりこんでしまいます。
派遣の期間が終わり帰国するカイルですが、PTSDに苦しみ次第に家族との間に距離ができてしまいます。そしてイラク派遣に何度も参加するうちに、自分の本当の居場所がどちらなのかわからなくなっていきます。妻タヤはそんなカイルを引き戻そうとしてくれますが、カイルに気持ちが届きません。そんな中、カイルはイラクで敵スナイパーのムスタファと激戦を繰り広げていくのでした。この映画は実在の伝説のスナイパーを元にした映画で、彼の生きた足跡を辿る物語です。
アメリカン・スナイパーをおすすめする理由
この映画で注目してほしい登場人物は、主人公クリス・カイルとその妻タヤです。カイルは幼少期から厳格な家庭で育ち、正義感と優しさにあふれています。カイルは最後はアメリカ軍史上、最も多くの敵兵を殺したスナイパーとして伝説になりますが、それはカイルが人を殺すことに何も感じていないからではありません。仲間を守るため、国を守るため、家族を守るために敵兵と戦っているのです。
少年兵を撃たなければいけないシーンでは、カイルの葛藤がありありと伝わってきます。そこにカイルの人間性が垣間見えるのです。PTSDに苦しみ、日常生活に戻れなくなっていくカイルが、最後に家族を選び戻ってこようと決断するシーンは私たちの心を打ちました。
そして妻タヤは、出会った当初は優しかったカイルが、戦争の中で変わっていくのを隣で引き止め続けています。妻タヤはカイルがいない中、子供を出産し育てていきます。そしてカイルの帰りを待ち、カイルが戦場に戻ろうとするのに何度も反対します。ですが、決してカイルを見捨てることはありませんでした。カイルが必ず戻ってこれると信じてカイルの居場所を守る強い女性なのです。クリス・カイルの人生を語る上で、タヤの存在は切っても切れないのです。
シンデレラマン
シンデレラマンの簡単なあらすじ
大恐慌時代のアメリカが舞台です。ボクサーとして活躍していたジム・ブラドックは、年齢的な衰えやケガからライセンスを失い、日雇いの仕事をして家族を養っていました。貧しい生活が続く中、対戦相手がキャンセルしたので、代わりに試合に出てほしいというボクサー復帰の依頼が舞い込みます。
貧しい生活を少しでも何とかしたいと試合に臨んだジムは、予想を裏切って相手をノックアウト。見事なカムバックを果たし、再びボクサーとして活躍を始めます。そして、過去に対戦相手を二人もなぐり殺しているというヘビー級チャンピオンと試合をすることに。妻のメイは大反対しますが、ジムは、家族のためにチャンピオンに挑むのでした・・・
シンデレラマンをおすすめする理由
ボクシング映画は、勝利を求めて闘う、というスポーツとしての面がクローズアップされますが、この映画は、父として夫として家族を愛する一人の男のストーリーです。失業したジムが、家族のためにボクサー時代の知り合いの元をまわってカンパを頼む姿が印象的でした。ジムの妻・メイを演じたレネー・ゼルウィガーが、それまでの役とは少し違うイメージで、可愛らしく健気な妻を好演していました。
全体的には地味な映画なのですが、大恐慌時代のアメリカの様子が伝わってきて、その中を懸命に生きる人々の姿が描かれています。子供たちや近所の人たちがラジオを囲んでジムの試合の中継に聞き入る様子も、時代を反映していて印象に残っています。
ショーシャンクの空に
ショーシャンクの空にの簡単なあらすじ
妻殺害という無実の罪で終身刑となってしまい、ショーシャンクという劣悪な環境の監獄に入れられてしまう銀行家のお話です。無実なのに監獄にいるという非情な現実を受け入れられないが、冷静に根気強く脱獄を計画し、様々な仲間に囲まれて、監獄の中で生き抜いていく映画です。
ショーシャンクの空にをおすすめする理由
ショーシャンクの空にの中で一番印象に残っているシーンは、主人公が脱獄に成功し、監獄の外で雨に降られながら、両手を大きく広げて自由の咆哮をあげるところです。それまでの、無実の罪という非情な現実で抑圧され、脱獄のための耐えに耐えた年月、絶望も何度も味わった、その後に、ついに自由を得た時の言葉で表すことのできない心の奥底からの叫びが、本当に何度観ても涙が溢れてきます。
私の中では、そのシーンが抑圧からの心の解放を象徴していて、ショーシャンクの空にを初めて観た時に心を病んでいたのですが、脱獄して自由を確信したそのシーンは、自分の抑圧された心を洗ってくれるようで、本当に感動しました。
たくさんの映画を観てきましたが、ショーシャンクの空にの、この脱獄のシーンは私の中では映画史上一番のシーンです。何度観ても涙が溢れて止まりません。最高のエンディングです。
エリン ・ブロコビッチ
エリン ・ブロコビッチの簡単なあらすじ
エリンは強烈な女性です。シングルマザーで小さい子供達がいる為なかなか仕事が見つかりません。車で仕事探しに奮闘中のある日、接触事故を起こしてしまいます。でもエリンには過失はありません。悪いのは相手の方です。しかしこの事件、裁判になった時にエリンは負けてしまいます。それはエリンが陪審員達の前で相手を「何さ!悪いのはそっちじゃないのよ!」などと怒りを露わにしたのがエリンの印象を悪くしたのは簡単に想像出来ます。
勝てる裁判だったのに負けてしまったのでお金も仕事も手に入らない、こんな状況でもエリンは負けません。自分を弁護した弁護士に責任を取って私を雇えと強引に雇って貰います。
そんなエリンはある工場の周辺で住民達が健康被害を訴えているのに遭遇します。一人一人の住民達の話を聞き調査していくうちにとんでもない事が浮かび上がります。工場が汚染物質を地下に流しその影響で水が汚染されているのではないかということです。しかし工場が実際にそんなことをしている証拠が掴めません。
エリンは自分を頼りにしている住民達の思いを支えに証拠を掴もうと奮闘します。これだけでも大変なのにエリンは3人の子供達の世話もしなければなりません。体調を崩し窮地に立った時にエリンを渋々雇った弁護士が助けてくれたり、隣に住む男性が子育てを助けてくれたりしてエリンは仕事を続けます。工場と住民達との間で裁判になった時にエリンの努力は身を結び巨額の和解金を勝ち取ることが出来ます。
エリン ・ブロコビッチをおすすめする理由
最初のエリンが仕事を断られて悪態を吐くシーンは目が醒めるような驚きがあります。そんな激しい性格のエリンが工場と裁判を起こす住民達に寄り添うように辛抱強く説得するシーンは引きつけられます。
セブン・イヤーズ・イン・チベット
セブン・イヤーズ・イン・チベットの簡単なあらすじ
実在したアイガー初登頂で知られるオーストリアの登山家、ハインリッヒ・ハラーの自伝を映画化したものです。彼がチベットでダライ・ラマと過ごした7年間を描いています。
1939年ナチス統制下、登山家のハインリッヒ・ハラー(ブラッド・ピット)は、身重の妻を残して、ヒマラヤ山脈を目指します。利己的な彼は、妻の不安な気持ちを全く理解しようとしませんでした。ヒマラヤでは、揉め事を起こしたり、自分勝手に振舞うなどして、だんだん仲間と溝ができ、彼は孤立していきます。そんな時、雪崩が起こり、下山をしていた時に、ドイツ兵に間違えられ捕虜になってしまいます。
仲間と何とか脱獄し、苦難の末にたどり着いた場所はチベットのラサ。そこで幼少期のダライラマ14世に会い、彼の家庭教師になります。ダライラマや温かいチベットの人々と接するうちに、彼は自分の行き方を見つめなおすようになり、自分の心にいつも孤独があることに気が付きます。
中国がチベットに侵攻してきた頃、オーストリアの終戦を聞き、彼は7年過ごしたチベットを去ります。オーストリアで、彼は自分の息子に会います。もうすでに離婚が成立していましたが、彼は妻に息子を育ててくれたことに感謝を伝え、彼女に寂しい思いをさせていたを詫びます。ラストのシーンはハインリッヒと彼の息子がアルプスに登っています。登頂した時に立てた旗は、オーストリアの旗とチベットの旗でした。
セブン・イヤーズ・イン・チベットをおすすめする理由
ジャムヤン・ジャムツォ・ワンチュク演じるダライラマが本当にピュアでよかったです。彼は簡単な英単語を使っていましたが、とても心に響くことを表現していました。
中国がチベットに侵略してきて、戦争になるとわかっていたので、ハインリッヒが、ダライラマに一緒に逃げることを勧めますが、ダライラマは断ります。自分には責任があるので、チベットの国民と一緒に戦うのだと。だから、私達はここでお別れだと。二人の間に多くの言葉はありませんでしたが、ダライラマの思いをハインリッヒは深く理解するシーンが好きです。
ダンケルク
ダンケルクの簡単なあらすじ
クリストファー・ノーラン監督の戦争映画です。第二次大戦中フランスのダンケルク海岸にてドイツ軍に包囲された連合軍は撤退を余儀なくされていました。約40万人もの兵士を救助するダイナモ作戦を主軸に、陸の一週間・海の一日・空の一時間という三つの視点から描いている本作は、その時間軸が次第に収斂しながらクライマックスへ向います。
物語の主人公トミーは撤退作戦中のダンケルク海岸でギブソンと名乗る兵士と出会い行動を共にすることになります。一方民間船が作戦のために徴用される中で自らが船に乗り込み英国兵救助のためダンケルクへ向ったのが、ドーソンと息子のピーター、その友人ジョージの三人でした。そして空からは撤退作戦成功のため、ドイツ軍を攻撃に向うファリア、コリンズらの視点が描かれます。
ダンケルクをおすすめする理由
この映画クリストファー・ノーラン監督ということで映像に対するこだわりがひしひしと伝わるものになっています。IMAXを用いて撮影された映像は迫力満点で、特に戦闘機による空中戦の撮影には実際の戦闘機にIMAXを装着し、水没までさせているそうです。全編通じてセリフの少ない映画ではありますが、それに以上に映像から訴えられるものが多く、何度でも観たくなる映画になっています。
しあわせの隠れ場所
しあわせの隠れ場所の簡単なあらすじ
マイケル・オアーは父親の顔も知らず、母親も麻薬中毒で引き離されますが、今はあちらこちらにたらい回しにされてホームレス状態になっていました。一夜の宿を求めて学校の体育館等の場所を捜し歩いている毎日で、学校には何とか入ることはできたが、今まで勉強をしたことが無く、落ちこぼれ扱いを受けています。
リー・アンの娘がバレーボールの試合後に観客が捨てていったポップコーンを拾って集めている最中を、リー・アンの夫に目撃されてはいるが、その時はお互い接点はなかったが、リー・アンの息子とマイケルが話している場面をリー・アンが目撃する。
ある日夜の寒い時間なのに、Tシャツ姿で歩いているマイケルを見て、リー・アンが乗っている車の横を通り過ぎようした時マイケルが気になり、リー・アンはこれから何処に行くのかを尋ねる。体育館で寝ようと考えていることをリー・アンに伝えると、直感でマイケルを家で泊めさせることから、驚くべきこと出来事が次々起こりはじめる。
しあわせの隠れ場所をおすすめする理由
お気に入りのシーンは、リー・アンがマイケルと接する内に自分の中の何かが変わり始めていることに気付き、笑みを浮かべるシーンです。マイケルが車を欲しがり、リー・アンの息子SJとゲームを買いに行く最中に事故をしてしまうが、マイケルの防衛本能がとても高くSJを腕一本で守り、かすり傷程度で済んだことやアメフトで失敗ばかりで落ち込んでいる練習中に、リーアンが彼の元に向かいチームメイトを家族の様に守ることを提案したことで、マイケルのアメフトによる才能が開花させたシーンが心に残っています。
お気に入りの登場人物はリー・アンです。初め黒人を嫌っていたがマイケルと一緒にいることで、自分の考えを改め直して、出来る限りバックアップをするようになる。
ミュージック・オブ・ハート
ミュージック・オブ・ハートの簡単なあらすじ
一主婦だったメリルストリープ扮するロベルタは、夫の不倫により離婚を余儀なくされ、2人の子供を育てるために小学校のヴァイオリンの臨時講師になります。ロベルタは、かつてヴァイオリンに情熱を燃やしており、その情熱を持って、ハーレムの子供たちに指導します。
始めは嫌がったり、ふざけたりしていた子供たちも次第に、音楽やヴァイオリンを好きになっていきます。「どんな子でもきちんと教えれば、必ずヴァイオリンを弾けるようになる」という信念で子供に向かいながら、10年教室を続けますが、市の予算でクラスは閉鎖されることに・・。しかし、ロベルタは、教室を存続させるために立ち上がり、チャリティーコンサートを計画します。ロベルタの熱意から多くの賛同を得、一流のアーティストとともにコンサートをを行うのは、ロベルタがかつて夢見た、あのカーネギーホールでした。
ミュージック・オブ・ハートをおすすめする理由
コンサートを前に緊張の面持ちでロベルタが1人カーネギーホールを訪れるシーンが心に残ります。ホールでのヴァイオリンの響きを確認するロベルタに声をかけたのは、一流バイオリン奏者のアイザック・スターン氏(本人)。「カーネギーホールはあなたたちを歓迎してくれます」とコンサートでの共演を申し入れます。
そして、いよいよコンサート本番、「ハートで弾くのよ」とロベルタに言われた子供たちは、多くの聴衆の前で堂々たる演奏を披露します。そして演奏後、満場のスタンディングオベーションで迎えられるシーンは感動的です。アイザック・スターン氏、イツァーク・パールマン氏など一流の演奏家が本人として登場しているこの演奏シーンは見所でもあります。
オレンジと太陽
オレンジと太陽の簡単なあらすじ
ノッティンガムに住む社会福祉士マーガレット。子どものころに移民し、オーストラリアの孤児院に住んでいた女性が訪ねてきたのをきっかけに、児童移民で孤児院に入れられた人々200人以上の母親探しを行うことになります。
家族と離れ、単身オーストラリアで調査するマーガレットは、教会などを敵に回したため、家に押しかけてこられ脅迫を受けます。PTSDになりながらも、孤児の1人レンの誘いで、ビンドゥーンという教会が運営する孤児院に向かったマーガレット。そこは、子どもたちが教会づくりを行い、男の子たちが教会関係者などからレイプを受けた場所だったのです。
オレンジと太陽をおすすめする理由
お気に入りのシーンは、マーガレットとレンが車の中で『Wild World』という歌を一緒に歌うシーンです。悲しいシーンの連続ですが、このシーンは2人とも、ひと時日常を忘れて楽しんでる感じがしました。
また、クリスマスに孤児の1人にプレゼントを配られたマーガレットの息子が『皆にプレゼントはないの?』と聞かれ『ママをあげたよ』というシーンが、心に残りました。さりげなく言ったセリフに、彼の寂しさが感じられました。
お気に入りの登場人物はレンです。一見ぶっきらぼうで陽気な彼。今は社長になり、イギリスにいる母親とも会えましたが、子ども時代のぽっかり開いた穴が埋められない、複雑な性格が垣間見えました。