「太陽の帝国」クリスチャン・ベール/13歳
太陽の帝国の簡単なあらすじ
日中戦争中に上海で生まれたイギリス人、ジェイミー少年は日本軍のゼロ戦にあこがれていました。しかし、戦争の混乱の中ジェイミーは両親とはぐれてしまい、貧しさから悪事を重ねることになります。そして日本軍に捕えられ、収容所へ。そこでは日本人をはじめ、様々な人との交流があったのです。
太陽の帝国をおすすめする理由
クリスチャンベールが13歳当時の作品です。オーディションで選ばれたクリスチャンベールですが、ジョンマルコビッチをはじめとする多くの名優に囲まれながら実に堂々とした演技をしています。貧しい時の苦しさや、ちょっとした出来事での笑顔、そして戸惑いなど、複雑な戦時中の子供の気持ちを見事に表現しています。中でも「目」の演技は素晴らしく、ゼロ戦を見つめる彼の目はこちらの胸を打つものがありました。
太陽の帝国で見逃してほしくないシーンといえば
映像全般がとても美しいです。中でもゼロ戦が飛び立つシーンは少年のゼロ戦への憧憬をよく表していて、監督の機械メカ好きが良くわかります。また、日本人俳優も多く参加しているのですが、「笑点」の座布団運びでおなじみの山田隆夫さんがでてくるシーンでは思わず笑ってしまいます。
お気に入りの登場人物はジョンマルコビッチ演ずる「ベイシー」ですね。同じく収容所に入れられたにも関わらずたくましく生き、少年にそこで生きぬく術を教える様は印象に残りました。
「コマンドー」アリッサ・ミラノ/12歳
コマンドーの簡単なあらすじ
アーノルド・シュワルツェネッガー演じる元特殊部隊の隊長、メイトリックスがテロリストに娘を人質に取られ要人の暗殺を強要されてしまいます。移動中の飛行機から何とか逃げ出したメイトリックスは協力者の女性と共にテロリストのアジトを見つけ、娘を助ける為に持ち前の屈強な肉体を武器に奮闘します。遂にアジトを発見したメイトリックスは現役時代の様に完全武装を施しアジトに単身乗り込み、愛する娘を救出する為にテロリストと壮絶な戦いを繰り広げるのです。
コマンドーをおすすめする理由
アリッサ・ミラノがまだ12歳で、とても愛くるしく無邪気な少女を演じています。出演時間はあまり長くありませんが、父親役のシュワルツェネッガーと中睦まじくアイスクリームを食べ、父親の顔にふざけてアイスクリームをつけるなどお茶目で父親が大好きという娘を好演しています。
やはり見所は主役であるシュワルツェネッガーの惚れ惚れとする肉体美を生かしたパワフルでタフなアクションシーンです。前作のターミネーターとは全く違う人間味のある明るいキャラクターを演じるシュワルツェネッガーも魅力的です。特に市街地でのテロリスト達との戦いはコミカルなシーンもありとても楽しめます。テロリストが入っている電話ボックスを持ち上げるなどシュワルツェネッガーの超人的な怪力ぶりが実に痛快です。
「ピアノ・レッスン」アンナ・パキン/11歳
ピアノ・レッスンの簡単なあらすじ
夫が亡くなり、スコットランドからニュージーランドへ再婚するためやってきたエイダと娘フローラ。子どものころからピアノを弾いているエイダはピアノも持ってきましたが、家が森を分け入った場所にあるため、夫スチュアートは持っていくことを許しません。
エイダは夫の知り合いで顔に刺青をしたジョージに頼み、ピアノのある海岸まで連れて行ってもらい、演奏します。ジョージは土地と交換にスチュアートからピアノを譲り受ける交渉をし、エイダにピアノを教えてもらうように依頼します。
ピアノ・レッスンをおすすめする理由
母親エイダは、夫が亡くなってから話すことができなくなった、という設定なので、エイダの代わりにフローラが通訳のように代弁します。アンナ・パキンは「天空の城ラピュタ」の吹替以外では映画初仕事なのに、セリフがいっぱいで大活躍だと思いました。この作品でアカデミー助演女優賞も獲得しています。特に、海に置かれたピアノのそばでバレエのようなダンスを踊るシーンが心に残っています。子どもらしい無邪気で元気いっぱいな感じがよく出ていました。
イケメンではないのですが、この映画を女性目線で見ていると、エイダがジョージに何となく惹きつけられるのもわかる気がしました。気持ちをストレートに示すところが、女心に響いたのかもしれません。
お気に入りのシーンは、お芝居を見ながらスチュアートと手をつないだエイダを見て、いたたまれずジョージが去っていくシーンとその後のエイダの表情です。19世紀は男性優位の時代ですが、女性の監督だから、女性が自らの欲望に忠実に従う姿が描けたのかもしれません。
「インタビューウィズヴァンパイア」キルスティン/13歳
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアの簡単なあらすじ
現代のアメリカが舞台です。ジャーナリストのマロイの前に、吸血鬼ルイという男が現れます。ルイは、自分の人生についてマロイに語り始めました。ルイの話は、永遠の命を手にしたことで犠牲にした人間らしさ、そしてヴァンパイア一族の反乱の物語でした。
この作品の魅力とは?
フランス人形のように美しく可憐な少女クローディアを演じたキルスティンの演技はこの映画の中で一番のキャラクターだと思います。子供ならではの自由奔放な姿は、見てる側も笑顔してしまうぐらい可愛くて目が離せません。お腹が空いたらすぐに人間の血を吸って殺してしまう姿をみて本気で怒れなルイの気持ちもなんだか分かる気がします。
後半では十数年生き続けて中身は大人の女性の考え方に変わるが、一向に体が成長しないことを悩み周りのヴァンパイアを恨む姿は、子役とは思えない大人っぽい演技を見せてくれます。
クローディアが何故ヴァンパイアに自分がされたかを知るシーンがお気に入りです。ルイが血の欲しさにより標的になったこと、そしてそれを仕向けた大元でもある古株ヴァンパイアのレスタトに反撃をすることもあり話の流れを大きく変える重要なシーンです。
この作品の登場人物でひときわ目を引く人物とは
お気に入りの登場人物は、トム・クルーズ演じる人間を恐怖に陥れ欲と華やかな世界が好きな冷血ヴァンパイアのレスタトです。誰もが目を離せなくなる美しさからボロボロの姿になる転落っぷりは見ものです。
「パニック・ルーム」クリステン・スチュアート/11歳
「パニック・ルーム」の簡単なあらすじ
離婚したメグは娘サラを連れて新しい新居に引っ越します。その家にはパニック・ルームという緊急避難用の部屋がありました。引っ越したメグとサラが眠っている夜、その家に住んでいた大富豪の隠し財産を狙って強盗が侵入します。三人の強盗はパニック・ルームにあるという隠し財産を狙っていましたが、強盗たちに気づいたメグは娘と一緒にパニック・ルームに隠れます。それを知った強盗たちはなんとか部屋から二人を出させて部屋に入り込もうと画策します。
「パニック・ルーム」をおすすめする理由
主役の母親役のジョディ・フォスターの娘役にぴったりで顔立ちが似ている美しい少女のクリステン・スチュアートは11~12歳当時から光を放っていました。糖尿病を患っていて、クールで賢い娘役をさりげない自然な、しかし大人びた演技で魅せます。
トワイライトシリーズで一気に有名になる前だけあり、ショートヘアでまだ子供の面影を残している彼女は既に子供ながらに才能の片りんを見せていたのだと思います。大女優のジョディ・フォスターに負けない存在感を見せていることからもそれが言えます。
母親メグが糖尿病のサラの具合を心配するシーンに母親の優しさと強さを感じました。また、強盗の仲間であるにもかかわらず、本当は人を傷つけたくなくてお金のために仕方なくかかわっている警備会社勤めのバーナムに救いを感じました。